若者の生きづらさってなんだ?ーPlus-handicap Session #9 レポートー

ひきこもり向けのイベントに参加しているひきこもりは、本当にひきこもりなのか?
 

12月17日にプラス・ハンディキャップのイベント「若者の生きづらさと働きづらさをなくすために何ができるのか?」に登壇してから、私の中で巡り巡っている結論の出ない、特に重要でもないけど気になり続けているテーマです。
 

イベント当日の様子


 

「若者の生きづらさ・働きづらさ」がテーマのイベントは、最近では全国各地で大小様々開催されています。私も過去に東京都主催の数百名が参加するイベントに登壇したこともあります。
 

数多くのイベントがある中でも、今回ほど参加者と登壇者の距離が近いイベントは他にはないと思います。なにせ会場は居酒屋、というかBar。忙しい時もマスターとスタッフの2名、あまり忙しくない時間帯であればマスター1人で切り盛りしているお店です。
 

「働きづらさ」がテーマなのに、世間一般の「働く」を意識する会議室で開催することに抵抗感があったので、敢えて小さな居酒屋を会場にするという荒業を使ってみましたが、参加者の方からも「会場が会議室だったら絶対来なかった。居酒屋だからおもしろそうだと思った」と言っていただけました。
 

働きづらさをBARで語る。


 

肝心のイベントの中身ですが、ひきこもりUX会議の主宰者である恩田夏絵さん、「日本財団いのち支える自殺対策プロジェクト」のメンバーである服部紗代さん、そしてファシリテーターという立場(一応)で私が加わり、3名のフリートーク→参加者のみなさんとのフリートークという流れで計2時間。個人的にはあっという間で、楽しい2時間でした。
 

ファシリテーターとしていろいろ話題を準備していたのですが、当日の自己紹介では恩田さんも服部さんも外国での生活の経験の話をされていたので、当初用意していた質問をすべてすっ飛ばして「若者の生きづらさは日本特有のものなのか?」という、個人的興味領域に突っ込んでいきました。これぞフリートークの醍醐味です。
 

この距離感がフリートークを加速させた気がします。


 

個人的に印象に残っているのは、日本の若者の生きづらさの原因として「教育と家族観」があるというトピックです。特に、日本の「家族」と海外の「ファミリー」の概念は違うという話は妙に納得感がありました。日本では「家族」や「家」に縛られてしまうが故に、生きづらさを抱えてしまっている人は少なくないと思います。
 

また、会場の反応で面白かったのは、私が高校生向けのキャリア教育プログラムをしているときのエピソードとして「偏差値や地域、学年、普通科や定時制などに関わらず、どんな学校でも、ほぼ例外なくゲーム内で『フリーター』になった生徒はへこみ、『正社員』になった生徒が喜ぶ。」という話をしたときでした。参加者のみなさんにとっては意外と感じたようで、一様に驚いていました。「正社員信仰」的な価値観は高校生の時点で既に根付いていることが意外だったのかもしれません。
 

同じ会場での忘年会も10名が参加して、ここでは書けないような話も含めて盛り上がりました。ひきこもりUX会議主宰の恩田さんいわく、ひきこもり界隈のイベントでは地方からの参加者も多いのだとか。今回のイベントにも岡山から参加してくれた方がいました。思わず「全然、ひきこもってないじゃん!」と言ってしまったことをちょっと反省していますが、そんなひきこもり界隈の状況を聞いて、冒頭の議論が私の頭の中で巡っています。
 

お酒が回った登壇者3名。恩田さん(左)・井上(中央)・服部さん(右)


 

若者の生きづらさというのは、程度の問題はあれ、恐らくどの時代にもあったもので、これからも完全になくなっていくことはないものだと思っています。大切なのは、固定観念にとらわれずに状況を正しく把握して、多くの人が協力して解決にあたっていくことだと思います。
 

私も今回のイベントを開催してみて、ひきこもりの人でも自分の意思でイベントを探して、夜行バスに乗って上京し忘年会の参加もできるし、そういうひきこもりの人は少なくないということを知り、いい意味で自分の中であった「ひきこもり」のイメージを打ち砕いてもらえました。
 

プラス・ハンディキャップとして、これからも多くの人の中にある固定観念をぶち壊して、生きづらさを減らしていくきっかけになるイベントを開催していきます。
 

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