大田区で「若者支援」の話をしてきました。

2014年2月1日、大田区にある区民ホールアプリコにて、NPO風雷社中主催のシンポジウムが行われました。
 

その名も『大田区で「若者支援」の話をしよう』。某哲学者の著書タイトルにそっくりですね。もちろんチラシもそっくりです。
 

ポージングまでソックリ
ポージングまでソックリ

 

このイベントはNPO風雷社中が、地域連携活動支援事業「若者支援大田区地域ネットワーク構築事業」として、独立行政法人福祉医療機構の平成25年度社会福祉振興助成を受けて、どんなことをやってきたのかを報告するシンポジウム。
 

「若者支援大田区地域ネットワーク構築事業」とは、『「若者の自立を支える拠点をつくり、自立スキルの習得及び地域活動に携わる機会を創出」することを目的に、「大田区内の地域団体やNPO団体のネットワークを活かし、若者の自立支援を支えるネットワークの基盤を構築」を実施する事業である。』と説明されますが、簡単に言うと「なんか社会に出てみたいけど勇気ないわ~」というニート・フリーターに対して社会と関わるきっかけを一緒に探した後押ししますよ~。その中で大田区内のNPO団体と連携して若い人を皆で後押しして行こうね~。というカンジの事業です。
 

シンポジウムの流れは、
1. 劇団ほぼ無職による 劇・若者支援あるある
2. 基調講演Ⅰ 寺脇研さん
3. 基調講演Ⅱ 児美川孝一郎さん
4. パネルディスカッション
という盛りだくさんの内容で行われました。
 

1~3に関してサラリと内容を紹介します。
 

1.劇・若者支援あるあるについて
劇団ほぼ無職とは「お仕事何されているんですか?」「…無職です」と言うのが恥ずかしい人たちのための、することがない人が集まれる場所みたいな劇団。クオリティが~とか、面倒くさいこと一切無視の、なんでもありの自由な劇団に集まる濃い~若者を劇で紹介しました。
 

2.寺脇研さんの基調講演「若者が受けてきた教育とはなんなのか?」
現代の若者の定義は15~39歳と言われ、そのうち27歳から下(1987~2004年生まれ)はゆとり教育を受けてきました。ゆとり教育の旗振り役となった寺脇研さん自ら、何かと謎・誤解の多いゆとり教育の解説や今後の教育のあり方についてお話していました。
 

3.児美川孝一郎さんの基調講演「今どきの若者はどんな状況におかれているか?」
寺脇さんから教育の話を受けたあと、その若者たちはどんな状況におかれているのかをお話してくださいました。今の若者は生きづらさを抱えている。その生きづらさを社会は自己責任とか言って若者のせいにしてるよね。それっておかしいよね。という内容。
 

4.パネルディスカッション
パネラーは寺脇研さん、児美川孝一郎さんをはじめ、Plus-handicap編集長の佐々木一成さん、今話題の都知事選候補者のスライドを作った株式会社小石川の広瀬眞之介さん、深夜徘徊イベントやひたすらダベる会を行ういっぱんじん連合の宮原直孝さん、そして本事業スタッフの根本淳也さんと私が登壇し、NPO若者就職支援協会の黒沢一樹さんがファシリテーターでした。若者からみた若者、地域で若者支援といった内容でディスカッションが行われました。

キーワードは「ユルい」。とにかく「ユルい」。ディスカッションも「ユルい」。
 


 

本事業の拠点であるEBAKOU☆BASEは「ユルい」。パネラーの雰囲気が「ユルい」。そしてその「ユルさ」に惹かれる若者がいるという現実。
 

「ユルい」というか、気を使わなくて良い空間や人というものを求めている若者はとても多いです。家でも、学校でも、職場でも、街でも、気を使わなければならない社会が広がる中で、どこで気を抜けばいいのか?そう考えているうちに、この事業とEBAKOU☆BASEは「ユルい」場所やスタイルになりました。
 

ひたすらユルいユルいと言いましたが、児美川さんから「こんなに壮絶な人生を送ってきてユルいはずないじゃない!笑」と言われました。確かにパネリストは誰一人ユルい人生を歩んできてないんですよ。障害者がいて、ウツがいて、中卒がいて。ユルいとは対極な人生を歩んできたからこそ、このユルさがなせることなんだと思います。
 

参加人数は76名。そのうち3分の1は若者でした。シンポジウムというのは硬く難しくテーマを取り扱い、高齢者しか来ないものがよくありますが、POPなチラシとインターネットを使っての告知、フランクな誘い方で若者の気を引くことが出来たようです。やったね!
 

若者が若者を支援すると言うと、リスキーだ!とか出来るわけないだろ!とか言われますけど、おじさんやおばさんたちは今の若者がどんな環境で育ってきたか肌で感じていないのにさも私、あなたの気持ちよーく分かるわ!だから助けてあげる!みたいなのも危険ですよ。若者だからこそ出来るやり方というものを考えるきっかけにもなったシンポジウムだと思いました。

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この記事を書いた人

細井愛香

平成生まれゆとり育ち。
幼い頃からシングル家庭で育ち、高校の時まで周りに心配かけない様に自分に嘘をつき続け、「生きづらい」と感じていた。丁度その時、好きなことを仕事にしている大人達に囲まれ、自分も彼らのように生きたい!と憧れてしまい、その結果、大学進学をやめ親元を離れ、団体を立ち上げ、不思議で魅力的な大人達に囲まれながら自分に正直に生きようとしている。
自分の思春期に終わりが見えないことが悩み。